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「リアルWordPressフォーラム」質問と回答まとめ(技術編)


質問コーナーに寄せられたさまざまな質問の回答をみんなで考えた「リアルWordPressフォーラム」。
その場で参加者のみなさんから出た回答をもとに、世話役のコメントを添えてご紹介します!(よく似た質問は一部まとめて回答させていただきます。)

1. WordPressを使って大きな会員サイトを作ることは可能でしょうか?

会員サイトと一口にいっても、会員登録させて何をしたいのかというところが書かれた情報だけでは分かりませんし、「大きな」の程度にもよりますので一概には言えませんが、基本的には可能です。

ただし、実用に耐えうるかといえばWordPressそのものよりもサーバのスペックによるところが大きいかと思います。できるだけ良いサーバを借りるなり、AWSやAzureなどのクラウドサーバで適切にスケールアップするなり、インフラの知識があることが望ましいです。

2. 100人以上のブログを1つのサーバで運営する場合(各メールアドレス発行、ドメイン別)、どういうサーバを借りるのが良いか?

上記同様、クラウドサーバでのスケールアップがおすすめ。
例えばAWSのt2.microだと月2,000円くらいで運用可能です。質問主さんのケースですといきなり100人でスタートするのではなくまず数名からいうことなので、当面はマルチサイト化して、テーマの編集権限を制限して運用するのが現実的でしょう。

その後ユーザーの増加にともなってAWSのスペックを上げていきます。
子ブログ50くらいでマルチサイトは厳しくなってくるので、データベース分散・WordPressのカスタマイズをエンジニアに依頼することをおすすめします。

3. 2chまとめが作りやすいテーマはありますか?

ええっと、NAVERという会社がやっていr…ゲフゲフ
いろいろなテーマがあるのですが、なんだかんだ言ってTwentyFourteenなどのデフォルトテーマはベースとして使いやすいと思います。

それと記事を投稿する時ですが、管理画面の「ツール > 利用可能なツール」のところにある「Press This」が便利です。(標準搭載の機能の割に、あまり使っている人を聞いたことがないのですが…)
今見ているページの一部をWordPressの投稿として送れるブックマークレットです。

※後から検索してみたところ、NAVERまとめにこんなのがありました。参考になるかもしれません。

4. 記事一覧に追加した項目をソートできるようにするには?

こちらも質問カードの情報だけではどういう状況かがハッキリ分からないのですが、カスタムタクソノミーを追加したということでしょうか?でしたら「PS Taxonomy Expander」という便利なプラグインがありまして…(開発者談)

このプラグインを使うと管理画面での記事並び替えができたり、wp_list_categories関数に引数を渡して表示順をコントロールできたりします。 アーカイブページで動的に記事を絞り込むなら、wp_dropdown_categories関数を使うのがスマートかもしれません。

もっと詳細な条件でソートしたいのであれば、有償ですが「FE Advanced Search」プラグインを使うといろいろできると思います!

5. 共有SSLの設定について。レンタルサーバ(ロリポップ)に共有SSLを設定しようとしたのですが、マルチドメインでは共有SSLを使えないのでしょうか?

マルチドメインではNGです。
GoogleがSSLを推奨する情報も最近出たことですし、お使いのレンタルサーバ会社で販売されている証明書であれば導入がカンタンにできることが多いので、ぜひとも独自SSLの証明書を取りましょう!

6. WordPressとBootstrapを組み合わせてサイトを作りたいです。相性は良いですか?気をつけることはありますか?

BootstrapはあくまでHTML,CSSのベースの話になるので、ちゃんと理解して使えば問題ありません。
BootstrapベースのWordPressテーマが公式ディレクトリでもいろいろと配布されています。まずはそういったテーマをDLして使ってみる、中身を読んでみることをおすすめします。

7. プラグインを出したり入れたりしていたせいでゴミが大量に残っているようです。クリーンな環境にプラグインを入れても、それぞれ何を使っているのかわからないので移行ができません、どうすればよいでしょう?

おそらくデータベースの不要データのことだと思いますが、そもそもそれがゴミデータかどうかの判別が難しいところです。MySQLやWordPressのデータベース構造についての知識を付けることが必要だと思います。不要と思われるDBテーブルをサジェストしてくれたり、消したりするプラグインがあるようです。(具体的なプラグイン名は出てこなかったのですが、公式ディレクトリで検索してみるといくつかそれっぽいのがありました)

そもそもプラグイン側で削除時にゴミが残らないようにするという配慮がなされているのが望ましいですね。
(参考:WordPressで立つ鳥あとを濁さずなプラグインをつくる

とはいえそうでないプラグインもありますので、まずはテスト環境で動作を確認してから本番環境に投入する癖をつけるようにしましょう。

8. タグとカテゴリーの使い分けがよく分かりません…

分からないなら無理して使わなくても大丈夫。自分のサイトでは正直あまり使ってない。という意見が出ました(笑)
ブログサイトよりも、素材サイトとか作品集とか、横断検索させるようなときに両方つかうケースがあるようです。

歴史をたどると、もともとカテゴリーが先にあり、それを拡張してタグが出来たそうです。迷う場合はカテゴリーで良いのでは。カテゴリーは階層構造があるもの、選択肢の数がある程度限られているもの、タグは制限なく増えていきそうなものがよさげです。

セッション中に出た例だと、

  • お遍路さんのサイトでカテゴリーを県名、タグをご本尊の名前にする
  • 野球の応援ユニフォーム製作サイトで、カテゴリーを球団名、タグを選手名にする

などがありました。

9. WordPress4.0以降で、フィーチャーフォン(ガラケー)に対応する方法は?

Ktai Style開発者のゆりこさんに聞いたところ、現在対応検討中とのことです。ガラケーは仕様的にいろいろ大変そうですが、応援しつつ待ちましょう。

10. Ajaxの使い方について

ちょっとざっくりしたご質問なので質問意図とずれるかもしれませんがご容赦ください。WordPressにはAjaxを利用するための仕組みがいろいろ用意されています。オレオレでやるよりも、これらを適切に使うのがよいでしょう。この場でごちゃごちゃと書くよりも、Codexの情報をご覧いただくことをおすすめします。 (英語版の方が情報が充実しています)

11. カスタムフィールドの使い方が分かりません/カスタム投稿タイプの使い方をおしえてください/カテゴリーやタクソノミーなどの出力を効率的に覚えたい

こちらもざっくり系なご質問なので難しいところですが、俗に言う「カスタム三兄弟」の質問は本当に多いですね。
しかも深くて広い、とてもこの場でご納得いただける説明はできないと思うので、考え方とか学習するにあたってのアプローチについて書いてみます。

ステップとしては

用語を正しく知る

使いどころを理解する

実装方法を知る

という感じなのかと思います。

まず「カスタムフィールド」「カスタム投稿タイプ」「カスタムタクソノミー」という言葉がいきなり出てくるから訳わからなくなるのではないかと思います。
そもそも「カスタムじゃないフィールド」「カスタムじゃない投稿タイプ」「カスタムじゃないタクソノミー」ってものがあっての、カスタム○○なわけなのですが、さて「カスタムじゃない」とはどういうものなのでしょう?

それはWordPressに最初から備わっているものことです。
「フィールド」とは、入力欄のことです。記事タイトルを入力するあの横長の入力欄や、コンテンツ本文を入れるエディターの部分が「フィールド」です。

投稿タイプ」とはコンテンツの種類のことです。管理画面の左メニューにある「投稿」「固定ページ」「メディア」などです。実は「投稿リビジョン」「メニュー」というのも投稿タイプです。このようにWordPressは扱うコンテンツの種類を細かく分けています。

タクソノミー」とは日本語で「分類」と訳されていますが、「カテゴリー」と「タグ」が最初からあるタクソノミーです。

このように「カスタム○○」というワードが出た時は、「カスタムではない○○とはつまり何のことか?」を考えるようにすると、腑に落ちやすくなると思います。

他にもWordPressで出てくる単語は聞き慣れないものが多いと思うので、実装の前に「用語を正しく知る」ということが近道になるのではないかと思います。
用語を正しく使うことで、検索した時の情報Hit率や、フォーラムでの回答率がぐんとUPします。

カスタムフィールドの使いどころとしては、投稿ごとに情報を付け加えるという時に使います。今は標準機能になっている「アイキャッチ画像」も、もともとカスタムフィールドを使って実装していた人が多かったのが専用機能として独立したものと言えるでしょう。

このように、通常の記事タイトル、本文欄だけではこと足りないものを付け足すのがカスタムフィールドです。
よくある例だとブログ記事に「今日の一言」欄や「今日の天気」欄を付け足すとかですが、最近はあまりそういうことをやる人も少ないですよね。。。
でも、そういったシンプルなフィールドづくりから始めてみると良いと思います。実装方法については誌面の都合上ここに書ききれませんので書籍とかをあたってもらって、都度フォーラムで聞いていただいたほうがいいかもしれませんが、基本の書式って決まりきっているのでまずはそれをコピペして情報が表示される喜びを感じるところからはじめてみてはいかがでしょう。

プラグインを使っている場合は、プラグイン独自のタグとかがあったりします(Advanced Custom Fieldsとか、Custom Fields Templateとかがメジャーですね)。

そもそもWordPress標準のカスタムフィールドが分かりにくいですよね…
今のUIになって初めての人だと「カスタムフィールド」というものがあることも気付かない感じになってますし。

でも情報によると4.1からいよいよこのあたりも改善されるらしいです。期待しましょう。

現状よく使われているカスタムフィールドを拡張する系のプラグインについては、やたらめったら使うとパフォーマンスに響くこともあるので、用法用量を守って正しく使いましょう。


以上、ひと通りカードに書かれた質問にお答えしました。
これでは解決しないよ!という方は、「WordPress日本語フォーラム」にてぜひ質問してみてください。(こわくないよ!)