「リアルWordPressフォーラム」質問と回答まとめ(勉強方法・働き方編)
質問コーナーに寄せられたさまざまな質問の回答をみんなで考えた「リアルWordPressフォーラム」。
セッションでは数名のグループに分かれて、担当の質問について考えてもらいました。
参加者のみなさんから出た回答をもとに、世話役のコメントを添えてご紹介します!(よく似た質問は一部まとめて回答させていただきます。)
1. 最近のおすすめ書籍をおしえてください
参加者の方からは以下のような本が紹介されました。
- 『いちばんやさしい WordPress の教本』
「BizVektor」テーマを使って、HTMLやPHPのコードを書かずにWordPressを利用する方法を中心に教えている本です。 - 『基礎からのWordPress』
「Webデザインレシピ」というブログで知られる高橋のりさんの著書です。 - 『WordPressをちゃんと使うための教科書』
「〜の教科書」シリーズや各種セミナーでの講師経験豊富なたにぐちまことさんの著書です。
この他、PHPの勉強には
- 『WordPressユーザーのためのPHP入門 はじめから、ていねいに。』
WordPressや各種OSSコミュニティに貢献されている水野史土さんの著書がおすすめとのことです。
カスタマイズに慣れてきたら、ステップアップとして
もぜひやってみよう!という提案もあげていただきました。
「自分の会社の書籍を抜きにして」という補足がついていたせいかもしれませんが、みなさんがスポンサーブースで絶賛おすすめされたであろう『WordPressの教科書』シリーズが出ていませんでしたね(笑)
このシリーズは既にHTMLやCSSを使ったWebサイト制作を問題なくできるスキルの方を想定しているので、一度もWordPressを触ったことのない方や、Web制作自体未経験の方が1冊目に選んでしまって挫折した例に出会ったことが何度かありますf^_^;
まずはHTMLやCSSの入門書を経てからWordPress本へ進むのも良いかと思います。
2. 初心者にやさしいおすすめテーマを教えてください
極力コードを書かずにやりたいのか、WordPressの勉強がしたいのかでも変わってきますが、WordPressのテーマ制作や作りを勉強するには、デフォルトテーマ(TwentyFourteen)がおすすめです。
WordPressコアで新しく搭載された機能がしっかり網羅され、当然WordPressのコーディングスタンダードにも沿って作られていますので、デフォルトテーマを知ればWordPressの全体像が見えてくるといえるかもしれません。
(なお、世話役は2010年に「デフォルトテーマで挫折した初心者向けの学習用テーマ mypace custom」を作り好評を博しましたが現在は絶賛メンテ停止中です…汗 ごめんなさいごめんなさい… 最新のWordPressでも問題なく使えると思いますが記述がちょっと今っぽくないところも多いので、そろそろ最新版をリリースしなきゃとは思っております….)
3. 元々業務系システムのエンジニアたちにWordPressやjQueryを新しく覚えてもらうにはどうすればよいでしょうか?私はデザイナー(たまにディレクションや営業もしている)なのですが、仕事が増える一方で頭を抱えてます…転職?
これはまた具体的なお悩みを打ち明けてくださいました。
これに対しては「プログラマのプライドをくすぐってお願いしてみる」という意見が出ました。デザインやテーマに興味がないのかもしれないので、まずはプラグインの作成からお願いしてみるなどはどうでしょうか。
4. WordPressのスキルを持っているスタッフを求人しているのですがなかなか集まりません。どうすればいいですか?
出た意見は「WordFesのスポンサーになり募集広告を出す」でした。ありがとうございますw
ちなみに世話役は昨年のFesで出した広告で大学生の子がアルバイトに応募してくれました。未経験でしたが、今や彼はうちの業務をしっかりと支えています。
もうひとりの進行役の伊藤は、WordBeach(Benchだったかな)の懇親会で、某お城好きの社長と出会って転職しました。広告を出さずともこういう御縁があったりもするものです。
とはいえすべての方や企業がWordPressのイベントを通じてマッチングできるわけではないと思います。
応募時点で多少想定スキルに達していなくても、今後の学習意欲などを考慮して働きながら習得してもらう方が近道かもしれません。
スクールや独学で学ぶことも大事ですが、実際の案件で制作した経験はそれ以上の実になると思いますので!
5. WordPress制作を外注するときの注意点があれば知りたいです。
6. WordPressの制作のみでデザインはできません。仕事の受注の仕方は?
逆方向の2つの質問が寄せられましたが、「5の人が6の人に発注すればいいんじゃないか」という意見でした(笑)
WordPress発注の際のポイントとしては
- デザイナーやデザインの制作会社からWordPress実装を発注する際、発注先が「WordPressのプロ」かどうかを見極めることが大事
- 「ここはこういう動きにしたい」など、動的な部分をできるだけ明確にして、事前にすりあわせておく
- 公開後のメンテナンスまで発注先にお願いできるのか、納品までで良いのかを決めておく(トラブルを避けるため)
逆に自分でWordPress実装を担当してデザインを外注する場合は、
- Webに特化したデザイナーを探すべき
- クライアントから話を聞いて、デザインラフなどしっかり準備してからデザイナーに渡す
などのアドバイスがありました。
WordPressの仕事をどうやって取るかですが、デザインはできるがその先に不安がある制作会社の方が、「WordPress」というワード決め打ちで発注先を検索していることが多いような印象です。ですので具体的には
- WordPressで自社サイトやポートフォリオサイトを作って実績を紹介する
- WordPressでブログを作って技術情報を発信する
- WordPressテーマやプラグインを自分で作って配布する
というようなことを続けていると、問い合わせがコンスタントに来るようになると思います。
それと、私の事務所に寄せられる問い合わせでは「HTMLコーディング+WordPress(デザイン支給)」というパターンが多いです。ですのでWordPressだけでなく、HTMLコーディング(マークアップ)のスキルは必要だと感じます。たとえばHTML5でのコーディングや、レスポンシブWebデザインなどの依頼は多いのでおさえておくべきところです。
※山田悠矢さんのセッション「テーマ作成で困らないためのイマドキ HTML 再入門」のスライドを見直していただくのも参考になると思います!
質問者さんのメイン業務としてプログラミングができるのであれば、さらにコーダーに外注して自分は高度なPHPカスタマイズをするという方向性でも多少手元に利益が残るかもしれません。
7. Google先生に聞いても回答が出ない時、何で調べればよいですか?
なんといっても「WordPress日本語フォーラム」が手っ取り早いです。他の「○○知恵袋」的な掲示板よりも正確で適切な回答が得られる可能性が高いです。
…とお答えしたら、参加者の方から「フォーラムは怖いイメージがある」という声が上がりました。
やっぱりきたか、という感じです。この点については以前私の個人ブログに、WordCamp Kansai 2014のリレーブログとして書いた「感謝と恩返しとWordPress日本語フォーラムと私」という記事に言いたいことをまとめてますのでぜひご覧ください。
それと、ポイントとしては「正しい用語で検索する」ということです。この点は「技術的な質問」への回答でも書きましたが、用語を正しく知ることで検索のHit率は格段に上がります。
もうひとつのコツは「英語で検索する」ということです。英語が苦手な方も多いと思いますが、スキルアップや最新情報の入手には英語の情報をあたるのが近道です。ちょっと背伸びして頑張ってみましょう。
8. 海外のサイトでWordPressの詳しいサイトがあったら知りたいです
箇条書きでざざっと紹介します。
- wpbeginner -初心者向けのチュートリアルやTipsなどを紹介。動画でのチュートリアルもあり
- wpsnipp.com – すぐに使えるコードスニペットを多数紹介しているサイト
- WP MAYOR – 複数の著者が交代で最新情報、テーマレビュー、Tipsなどを紹介
- WP Recipes – テーマ情報、コードスニペット、Tipsなどを紹介
- GenerateWP – WordPressのカスタマイズでよく使うコードをまとめたジェネレーターサイト
- WPmail.me - 週1回、WordPressの最新情報まとめを送ってくれる無料メルマガ
などなど、他にも多数あると思うので、おすすめがあれば紹介してください!
日本の有名ブログの翻訳記事の元記事になっているブログをあたるのが結構おすすめです。
それと、なんといっても本家WordPress.orgとCodexを見るのが間違いないでしょう。
9. 新しい技術・プラグインの情報収集はどうしていますか?/Web業界のトレンドはどこで入手するのがよい?
こちらも出た意見を箇条書きで紹介します。
- はてなブックマークのITカテゴリ人気記事
- WordPress日本語チームやプラグイン・テーマ開発者、人気ブログの中の人のTwitterをフォロー
10. CTOのイスを狙っているのですがうまく譲ってもらえる方法を教えてください
えーっと、そのCTOさんがどなたかは存じ上げませんが(笑)参加者の方からのアドバイスは
- 「独立して自分で会社を作りCTOになる」
でした。
他には、代表(CEO)にごまをする、そのCTOさんよりも人気のプラグインを作る、などはどうでしょう。がんばってください。
※CTO = 最高技術責任者(chief technical officer) だそうで。
以上、ひと通りカードに書かれた質問にお答えしました。
もっともっとWordPressについての情報交換をしたい方は、ぜひ各地のWordBenchに参加してみてください!
この他、全国のWordPressに関するイベント情報がまとまっている「WordPressイベントカレンダー」をあなたのGoogleカレンダーに追加するのもおすすめです。